2026年07月15日
一枚の畳表になるまで、こんなに手間がかかるとは ― 熊本県八代市でイグサの刈り取りをお手伝いしてきました

東京都足立区関原の国産畳専門店、有限会社小堀です。
畳のお部屋に入ったときの、あの清々しいイグサの香り――。その畳表が、どのように作られているかをご存じの方は、少ないのではないでしょうか。
今回は、2026年7月3日から7日まで、熊本県八代市へイグサの刈り取り作業のお手伝いに行ってまいりましたので、その様子をご報告いたします。
この記事でわかること
・畳表の最大産地・熊本県八代市で、全国の畳屋仲間とイグサの刈り取り作業をお手伝いした報告です
・イグサが一枚の畳表になるまでの6つの工程(編み上げ・刈り取り・泥染め・窯入れ乾燥・袋詰め・織り上げ)をご紹介します
・市場に出回る畳表のうち、国産は2割程しかないという現実もお伝えします
・農薬や添加物を極力抑える、イグサ農家さんの安心・安全への想いをお聞きしました
・いまでは大変貴重な「中継ぎ表」も見せていただきました
実は、国産の畳表は2割程しかありません

世の中にある畳を、国産だと思われている方は多くいらっしゃいます。ですが実は、国産は2割程しかございません。残りの8割が外国産、主に中国産であることが現実です。
その国産イグサのほとんどを生産しているのが熊本県で、その中心が八代市です。まさに国産畳の最大産地です。
今回は全国の畳屋仲間といっしょに、少しでも戦力になればという想いでお伺いし、2軒の農家さんにおじゃまさせていただきました。
お世話になった農家さん

最初におじゃました農家さんは、ご夫婦と息子さん、スタッフの方もいて農家さんではめずらしい会社経営をしており、外国から農業の研修生も2名いらっしゃいました。みなさん大変テキパキと動いており、研修生のお二人は覚えが早く、大変助かっているとのことです。息子さんは若手の農家さんの集まりにも参加されていて、頼もしい限りです。
イグサは編み上げから、一枚の畳表に織り上がるまで、いくつもの工程を経ています。その流れを順にご紹介いたします。
【工程1】イグサを支える網を取る「編み上げ」作業

田んぼには、イグサが倒れないように支える網が張られています。刈り取りの前に、まずこの網を取る「編み上げ」という作業を行います。私もこの編み上げ作業からお手伝いさせていただきました。
【工程2】田んぼでのイグサの刈り取り

イグサの収穫は、6月下旬から7月にかけて行われます。網を取ってから、専用の刈り取り機を使い、田んぼで丁寧に刈り取っていきます。
刈り取ったイグサはトラックに積み込み、工場へと運びます。私も刈り取りをはじめ、トラックへの積み込みやコンテナへの運び込みをお手伝いさせていただきました。
【工程3】工場に戻って「泥染め」

工場に戻ると、次は「泥染め」という工程です。刈り取ったばかりのイグサを、泥水に漬け込むのです。
なぜ、わざわざ泥に漬けるのでしょうか。
泥染めは、天然の石灰石を溶かした泥水にイグサを漬け込むことで、イグサをコーティングする大切な作業です。泥染めをすることで、イグサの美しい色合いが保たれ、畳らしい清々しい香りが引き出され、乾燥もむらなく均一に進みます。
泥染めの方法は、農家さんによってさまざまです。1軒目の農家さんはコンテナごと漬け込む方法で、2軒目の農家さんは手作業で漬ける「手つけ」による泥染めをされております。それぞれのやり方とこだわりがあるのです。
【工程4】窯入れをしてじっくり乾燥

泥染めを終えたイグサは、乾燥機(窯)に入れて乾燥させる「窯入れ乾燥」を行います。
一般に65度前後で14時間ほどかけてじっくり乾燥させるといわれ、温度と時間の管理がイグサの仕上がりを左右する大切なポイントです。
【工程5】袋詰めをして大切に保管

乾燥を終えたイグサは、変色などの劣化を防ぐため、専用の袋に詰めて倉庫で大切に保管されます。こうして保管されたイグサが、やがて畳表へと織り上げられていきます。私も袋詰めをお手伝いさせていただきました。
【工程6】織機で畳表へ織り上げ

1軒目の農家さんでは、工場の織機で、イグサが実際に畳表へと織り上げられていく過程も拝見させていただきました。
畳表は、イグサを麻糸や綿糸と織り合わせて作られます。織機でイグサが一本一本織り込まれ、見慣れた畳表になっていく様子を間近で見られる、貴重な機会となりました。
一枚の畳表には、これほど多くの工程と農家さんの手間がかけられているのです。
貴重な「中継ぎ表」を見せていただきました

また1軒目の農家さんでは、「中継ぎ表」という、いまではなかなか見ることのできない大変貴重なものも見せていただきました。
中継ぎ表とは、イグサを畳表の中央でつなぎ合わせて織り上げる、昔ながらの技法による畳表です。実物を目にできた、貴重な経験でした。
安心・安全への想い ― 2軒目の農家さん

2軒目の農家さんは、ご夫婦と息子さんのご家族で営んでいらっしゃいます。
こちらの農家さんからは、安心・安全についてのお話をお聞きしました。農薬や添加物を極力使わないよう抑えて育てていること、見た目の美しさも大事ですが、それだけではないというお話です。
国産のイグサ農家さんは、常にイグサと向き合い、大切に育ててくださっています。
「炎天下よりはまし」― それでも大変な刈り取り作業

イグサの刈り取りは、炎天下での作業は本当に大変です。今回は雨や曇りの日が多かったこともあり、気温も低めで風もあったため、「炎天下よりはまし」だったそうです。それでも私は、こんなにも大変な作業なのだと実感させられました。
また、作業を通してイグサ農家さんでしか知らないお話もお聞かせいただき、私も大変勉強になりました。普段は出来上がった畳表を扱う私たち畳屋にとって、その原点である田んぼでの作業を体験できたことは、何よりの財産です。
おわりに ― 国産イグサ農家さんあっての畳屋です




国産イグサ農家さんあっての私たち畳屋だと、改めて感じた5日間でした。
農家さんが丹精込めて育てた国産の畳をみなさまにご提案できるよう、当店はこれからも熊本県産畳表応援店としてがんばってまいります。
当店のご案内
有限会社 小堀(国産畳専門店)
所在地: 〒123-0852 東京都足立区関原3-16-2
TEL: 03-3889-6066 / 三代目直通:080-3411-1016
営業時間: 8:30〜19:00(定休日: 日曜・祝日)
ウェブサイト: https://koboritatami.com
LINE公式アカウントで簡単にご相談できます
公式LINE: @353jyxgy
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松戸市、船橋市、流山市、柏市、浦安市、市川市、野田市など
神奈川県もご相談ください。
畳替えをお考えの際は、「国産」という選択肢をぜひ思い出してみてください。当店では、熊本県八代市の農家さんが丹精込めて育てた国産畳表をご提案しております。お電話またはLINEで、お気軽にご相談ください。








