2026年07月03日
へりなし畳(琉球畳)の素材を畳専門店が解説|天然の目積・引目から和紙・樹脂・ReFaceまで
みなさん、こんにちは!東京都足立区関原の国産畳専門店、有限会社小堀です。
当店では畳工事はもちろんのこと、襖・障子・網戸・壁紙(クロス)・カーテン・ブラインド・ロールスクリーン・ガラスフィルムなどの内装工事、フローリング・クッションフロア・カーペット・長尺シートなどの床工事、水回りはキッチン・浴室・洗面台・トイレ、さらに大工工事・ドアの新調やリペア・内装・外装塗装・電気工事・家具処分など、住まいに関わるリフォーム全般を承っております。
縁のないすっきりとした「へりなし畳」は、和室をモダンに整えたい方や、フローリングのお部屋に畳コーナーを設けたい方から、近年とくに人気が高まっております。
そんなへりなし畳をお選びいただく際、意外と知られていないのが「呼び名」と「畳表(たたみおもて)の素材」です。実はへりなし畳には、天然のイグサだけでなく、和紙や樹脂など、さまざまな素材の畳表をお選びいただけるんです。
今回は、まず「琉球畳」という呼び名のお話を整理したうえで、当店で扱うへりなし畳の代表的な素材として、天然のイグサ畳表(目積・引目)・和紙畳表・美草(みぐさ)畳表・ReFace(リフェイス)畳表を取り上げ、それぞれの特徴・メリット・デメリットをわかりやすくご紹介いたします。
1.「琉球畳」と「へりなし畳」呼び名のお話

へりなし畳のことを「琉球畳(りゅうきゅうだたみ)」と呼ばれる方は、とても多くいらっしゃいます。お問い合わせの際にも「琉球畳にしたいんだけど」とおっしゃる方が少なくありません。
実は、本来の「琉球畳」は、七島イ(しちとうい)という植物で織られた畳のことを指す呼び名です。一般的な畳に使われるイグサとは別の植物で、丈夫で独特の風合いがあるのが特徴です。
ただ、この七島イで織られた畳表は今では希少なものとなり、現在では縁のない畳全般を「琉球畳」と呼ぶことも一般的になっております。ですので、お客様が「琉球畳」とおっしゃる場合、その多くは「へりなし畳」のことを指しているとお考えいただいて差し支えありません。
そして「へりなし畳」とは、その名のとおり畳のふちの部分、つまり畳縁(たたみべり)が付いていない畳のことです。縁の縁取りがないぶん、お部屋全体がすっきりと広く見え、正方形の畳を交互に敷くと、光の当たり方によって市松模様のような陰影が生まれます。このモダンで洗練された表情こそ、へりなし畳の大きな魅力です。
2. へりなし畳の畳表は「天然素材」と「新素材」
へりなし畳の畳表は、大きく分けて天然のイグサと、和紙・樹脂などの新素材の2つに分けられます。
天然のイグサには天然ならではの香りや風合いがあり、新素材にはそれぞれ機能面での強みがあります。最近では、デザインの多様化や機能性を重視される方を中心に、新素材のへりなし畳をお選びになる方も増えてまいりました。
それぞれ詳しく見てまいりましょう。
3. 天然のイグサ畳表(目積・引目)


まずは、畳本来の天然素材であるイグサの畳表です。
特徴
へりなし畳に使う天然のイグサ畳表は、目積(メセキ)という織り方が主流です。「目積」とは、イグサの織り目が細かく、目の詰まった織り方のことをいいます。目が細かいため、縁取りのないへりなし畳の端まできれいに仕上がり、上品で引き締まった表情になります。
一方で、通常のへり付き畳に使われる引目(ひきめ)という織り方の畳表を、へりなし畳に使うこともございます。お部屋の雰囲気やお好みに合わせて、お選びいただけます。
また、天然のイグサ畳表には国産と中国産がございます。当店がおすすめするのは、熊本県をはじめとする国産のイグサで織った畳表です。生産者の顔が見える国産畳表は、品質の確かさが魅力です。
– イグサ本来の清々しい香りを楽しめます。新しい畳の香りは、天然素材ならではのものです。
– イグサには調湿性があり、お部屋の湿気を吸ったり放したりして、空間を快適に保つ働きがあります。
– 素足で歩いたときの自然な肌ざわりと、和の趣のある風合いは、天然イグサならではの心地よさです。
– 天然素材のため、年月とともに色合いが変化していきます。新畳のころの青々とした色から、日が経つにつれて落ち着いた飴色へと変わっていきます(この経年変化を「畳が育つ」と楽しまれる方もいらっしゃいます)。
– 和紙や樹脂の畳表に比べると、水や汚れには強くありません。飲み物をこぼした際は、早めに拭き取っていただくのが安心です。
「畳らしい香りと風合いを何より大切にしたい」という方には、この天然の国産イグサ畳表が一番おすすめです。
4. 和紙畳表(ダイケン)

次に、近年へりなし畳でとても人気の高い、和紙の畳表です。当店ではダイケン(大建工業)の和紙畳表を扱っております。
特徴
和紙畳表は、機械すきの和紙をこより状にして織り上げた畳表です。天然のイグサに見た目はよく似ています。原料は紙ですが、耐久性の高い素材です。
– 表面の耐摩耗性が天然イグサの約3倍とされ、擦れに強く長持ちします。
– 日焼けによる変色が少なく、美しい色合いが長く保たれます。
– カビ・ダニに強いため、衛生面でも安心しておすすめできます。
– 撥水性があり、飲み物をこぼしても拭くだけでお手入れができます。
– カラーバリエーションが豊富で、グリーン系・ベージュ系・グレー系・ブラウン系など、お部屋のインテリアに合わせて自由にお選びいただけます。
– 天然イグサのような畳本来の香りはありません。香りを重視される方には物足りなく感じられるかもしれません。
– 調湿性の点では、天然のイグサに一歩譲る面があります。
色あせやお手入れのしにくさが気になる方、小さなお子様やペットのいるご家庭に、和紙畳表はよくお選びいただいております。
5. 美草(みぐさ)畳表(セキスイ)

3つめは、セキスイ(積水成型工業)の樹脂製畳表「美草(MIGUSA)」です。
特徴
美草は、耐久性にすぐれたポリプロピレンと、天然の風合いを生み出す無機材料(吸湿性炭酸カルシウム)を配合してつくられた樹脂製の畳表です。樹脂製ながら、イグサにあたる部分の内部に空気層を持たせ、表面には無数の微小な孔を設けることで、天然畳に近い質感を再現しています。
– 色あせしにくく、強くて丈夫なので、美しさが長持ちします。
– 水拭きができるため、お掃除が簡単で清潔に保てます。
– ダニ・カビの心配がない素材なので、小さなお子様やアレルギーが気になる方も安心です。
– 表面の凹凸によりべたつき感が軽減され、適度なクッション性があります。
– 織柄とカラーを組み合わせたカラーバリエーションは全46色と非常に豊富で、さまざまなインテリアに対応できます。
– 樹脂製のため、天然イグサのような香りはありません。
– 風合いは天然畳に近づけられていますが、足ざわりなど、やはり天然イグサとは異なる部分があります。
「色のコーディネートを自由に楽しみたい」「お手入れのしやすさを優先したい」という方に向いた素材です。
6. ReFace(リフェイス)畳表(アゼアス)

最後にご紹介するのは、アゼアス株式会社のReFace(リフェイス)です。耐久性とデザイン性を高いレベルで両立させた、新しい世代の表面材です。
特徴
塩化ビニル(PVC)を主原料とした塩ビ系樹脂を織り込んで作られた表面材です。
ReFaceは、耐久性の高い繊維を丁寧に織り込んでつくられた、塩化ビニル(PVC)を主原料とした塩ビ系樹脂を織り込んで作られた畳表です。「強靭さとしなやかさ」を兼ね備えており、もともとは土足やキャリーバッグ、車椅子を使うホテルや介護施設などの過酷な環境でも美しさを保てるよう開発された、高機能な素材です。
– 非常に高い耐久性を備え、人の出入りが多い場所でも長く美しさを保ちます。
– 防滑性にすぐれ、滑りにくい仕上がりです。
– 耐水性があり、水拭きでお手入れができます。
– 防炎性を備えているため、安全面でも安心です。
– クッション性があり、足腰への負担をやわらげます。
– 引っかきに強く、ペットの爪などにも傷みにくいため、ペットのいるご家庭にも適しています。
– 豊富なデザインがあり、空間に合わせたコーディネートが可能です。
– 樹脂を主体とした素材のため、天然イグサのような香りはありません。
– 質感は天然のイグサとは異なります。畳本来の風合いを求める方には、好みが分かれる場合があります。
リビングやペットのいるお部屋、人の出入りが多い場所など、とにかく丈夫で長持ちする畳をお探しの方におすすめの素材です。
7. 素材をどう選べばよい?
ここまでご紹介した素材を、選び方の目安としてまとめてみました。
– 天然のイグサ畳表(目積・引目)畳本来の香り・調湿性・自然な風合いを大切にしたい方に
– 和紙畳表(ダイケン)色あせのしにくさ・お手入れのしやすさ・豊富なカラーを重視する方に
– 美草畳表(セキスイ)全46色から自由にコーディネートしたい方、清潔さを保ちたい方に
– ReFace畳表(アゼアス)高い耐久性が必要な場所、ペットのいるご家庭に
天然のイグサには天然ならではの良さがあり、和紙・樹脂の新素材にはそれぞれ機能面での強みがあります。どれが優れているということではなく、お住まいの環境や暮らし方、お好みに合わせてお選びいただくのが一番です。
当店では、それぞれの実物の素材サンプルをご用意しております。色合いや手ざわりは、実際にご覧いただくのが一番わかりやすいものです。お部屋のインテリアに合わせながら、ご一緒にお選びいたします。
8. 施工方法について
へりなし畳は、和室に琉球畳風として敷かれる方が多く、最近ではフローリングのお部屋に畳コーナーを設けるなど、住まいのスタイルに合わせて選ばれています。
当店では、へりなし畳の施工も一日仕上げまたはお預かり納品で対応いたします。
新畳の場合
– 事前に一度お部屋の採寸作業をさせていただきます。施工当日、新しい畳をお持ちして古い畳と入れ替え作業を行いますので、畳がない期間がございません。
表替えの場合
– へりなし畳は縁のない部分に畳表を側面まで巻き込んで折り込む、職人の手作業による丁寧な仕上げが欠かせません。一枚一枚を手作業で折り込んで仕上げるため、製作には手間と時間がかかります。枚数によっては一日仕上げが難しい場合もございますので、その際はお預かり納品でご相談させていただきます。
家具の移動も、家具スベールとミニ畳を使って当店の職人が承りますので、どうぞご安心ください。
9. まとめ
今回は、「琉球畳」という呼び名の整理と、当店で扱うへりなし畳の代表的な素材をご紹介いたしました。
– 琉球畳の呼び名: 本来は七島イで織られた畳表を使用したヘリ付き、ヘリなし畳を両方を指すが、現在はへりなし畳全般を琉球畳と呼ぶことも一般的
– 天然のイグサ畳表(目積・引目): 香り・調湿性・自然な風合いが魅力。国産・中国産があり、当店は国産がおすすめ
– 和紙畳表(ダイケン): 耐摩耗性が高く色あせしにくい。撥水でお手入れ簡単・カラー豊富
– 美草畳表(セキスイ): 樹脂製で水拭き可・ダニカビの心配なし・全46色
– ReFace畳表(アゼアス): 高耐久・防滑・耐水・防炎でペットにも強い・23柄
それぞれに違った魅力がございますので、「うちにはどの素材が合うかしら」と思われた方は、ぜひお気軽にご相談ください。実物のサンプルをご覧いただきながら、お客様にぴったりの一枚をご一緒にお選びいたします。お部屋を拝見してのお見積りも無料で承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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